光明禅寺(福岡県福岡市)
「九州の苔寺」ともよばれ、ウマスギゴケが中心となる枯山水庭園がある。
ここでは、白砂で海を、苔の緑で大陸と島が表されている。
晩秋に訪れたとき、境内一面が紅葉で赤く染まる中、コケの緑が輝いていた。
詳細は著書「苔三昧」にて。
旧亀石坊庭園(福岡県添田町)
雪舟の作庭とされる。
庭石はハイゴケやエダツヤゴケ、エゾスナゴケに被われる。
他の植物が侵入できない庭石は、コケにとって絶好の生育場所だ。
清水寺(福岡県みやま市)
雪舟によって作庭された庭園。背後にそびえる愛宕山を借景としている。
境内にはウマスギゴケやハイゴケ、コツボゴケが多い。
愛宕山と庭池を彩る紅葉、そして地面を被うコケがつくる景観を、縁側からゆっくり眺めたい。
詳細は著書「苔三昧」にて。
伝来寺(大分県日田市)
九州最古の枯山水庭園とされる。
境内の庭石はハイゴケやエダツヤゴケが厚く生している。
奥行きのある石組みのデザインとその石を被うコケによって作られる景観には、幽玄な趣が漂う。
詳細は著書「苔三昧」にて。
泰勝寺跡(熊本県熊本市)
現在は立田自然公園として公開されているが、もともとは肥後藩主・細川家の菩提寺。
トサカホウオウゴケやコバノチョウチンゴケ、コツボゴケ、トヤマシノブゴケなど、やや湿った環境に生育する種が多くみられる。
詳細は著書「苔三昧」にて。
仙巌園(鹿児島県鹿児島市)
目前に広がる錦江湾や桜島を借景にとりいれた、島津家の別邸にある庭園。なお、園内には2015年世界文化遺産に登録された旧集成館がある。
「コケ庭」を意識してつくられて庭ではないが、その恵まれた環境から園内には多くのコケがみられ、一部ではコケが風情ある景観をつくっている。主なコケは、コバノチョウチンゴケ、エダツヤゴケだ。
温暖で湿潤な環境にあるため、ツノゴケ類(ニワツノゴケ・ナガサキツノゴケ)も豊富にみられる。
ところで、ツノゴケ類とは何だろう?
コケは大きく 「セン類」「タイ類」「ツノゴケ類」に区分される。教科書でセン類(スギゴケ類など)、タイ類(ゼニゴケ類など)は学ぶが、ツノゴケ類については聞いたことがない人も多いかもしれない。
ツノゴケ類の扱いが小さいのは、種数が多くないためだろうか(日本に分布する約1700種のコケのうち、ツノゴケ類は20種ほど)。
しかし、種数は少なくとも、コケの進化などを考えるうえでは重要な分類群なので、一度は見ておきたい。
ツノゴケ類はつまいようじのような胞子体をもっているのが野外で区別するポイントだ。
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